財産の管理(父・母・知的障碍がある娘さんのご家族)

状況

Aさんご夫婦には、知的障碍がある娘さんがおひとりいらっしゃいます。
現在、娘さんは施設に通い、夫は会社員、妻はパートをして生活しています。
娘さんの将来を考え、せめてお金の苦労をさせないように十分な貯蓄や生命保険にも入っていますが、ご夫婦ともに歳をとり、ご自分たちが亡くなった後の娘さんの生活を考えると不安が募ります。
ご夫婦は娘さんが亡くなるまで不自由なく暮らしていけるように、また、ご自分たちが娘さんのために残す財産の管理について、より良い方法を探しています。

ご家族のお気持ち

財産の管理については成年後見制度が一般的ではあります。
しかし、この制度では後見人が娘さんの財産を管理をしても身の回りのお世話をしたりすることはありません。
娘さんが生活していくためには、施設やヘルパーさんの協力が不可欠です。
また、娘さんご自身が遺言を書けないため、このままでは娘さんが亡くなった後の財産は国のものとなってしまいます。

ご夫婦の希望は、娘さんが亡くなるまで不自由なく施設やヘルパーさんの力を借りることができ、また、娘さんが亡くなった後に残った財産はそのお世話になった方で分けていただきたいということでした。

民事信託の組成

委託者：父
受託者：親戚
当初受益者：父
第2受益者：母
第3受益者：娘
残余財産の帰属先：ヘルパーさん・施設

このようにして、ご家族の願いをかなえることとなりました。