民事信託・家族信託に関する最新情報
②家族信託の対象にできる財産
2023/06/19
家族信託の財産として選択できる財産にはどのようなものがあるでしょうか。原則は、価値ある財産は全て家族信託できることになっています。
その中で、委託者の財産のうち、信託財産とするものをいくつか選択し、それを信託契約の中で信託財産として定めることになります。
実務上もっとも信託財産として含められることが多いものが、現金および自宅や収益用物件などの不動産です。
また、宝石、絵画、骨とう品、車、ペットのような動産や、ゴルフクラブの会員権、金銭債権や知的財産権のような権利も信託財産とすることができます。
基本的には財産的価値があるもの、つまり金銭的価値に換価できる財産であれば、家族信託の対象とすることができます。
一方で信託できないものもあります。
また金銭的価値に置き換えられないものについては、家族信託の信託財産とすることはできません。
例えば、個人の生命や名誉、借金や他人に借金についての保証債務などです。
負の財産と呼ばれるものを想像すればよいかと思います。
あわせて生活保護受給権や年金受給権は委託者本人を離れて受託者に名義を移行すことはできません。
また価値のある財産でも、預貯金や上場株式などは現実的に家族信託出来ません。
これは個人に属する権利だからです。